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“発明”の再発明

今日は、あまり根拠の無い話です。

以前、ニコラ ・ テスラ伝記を読んだことがあるのですが、この時に、「発明というものは、エジソンとテスラで終わったのだな」と感じ入りました。現代の生活の基礎となっている電気や無線などの技術は、この頃に発明、実用化されます。この二人が「発明」というものの敷居を格段に上げてから、街から「発明家」はいなくなったのではないかと想像します。現在では、「発明家」といえば、ほぼ漫画でカリカチュアライズされる対象になっており、発明は研究所のようなところに委託されるようになりました。

ところが、1990年代のインターネットの普及及びウェブの発明、及びその周辺技術の発達により、21世紀になってから、再び「発明家」が出てきたのではないかと最近思うようになりました。例えば、百式の田口さんの連載していた「誠 Biz.ID:田口元の「ひとりで作るネットサービス」探訪」に出てくる人たちは、「街の発明家」の現代の姿なのではないでしょうか。これ以外でも、少数の開発者らによるサービスが世間にインパクトを与えることも少なくありません。Google創業者二人だって、もしかしたら発明家の範疇に入る人たちかもしれません。

時折「ベンチャー精神」なんて言い方もしますが、これも言葉を変えれば、「発明家魂」なのかもしれません。こうした「発明家」が再度地上に現れたことを、昔の発明家の人たちは天国でどう思っていることでしょう。

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ウェブ学会へ行ってきました

既に今週の月曜になりますが、ウェブ学会に行ってきました。既に詳しい内容は他の方にレポートされているので、自分の感想を。

セッション1:ウェブとコラボレーション

顔なじみの方も多かったので、自分にはあまり新味は無かったですが、ウィキまわりを俯瞰するのにはよかったのではないでしょうか。ただ、集合知やその周辺の言葉が一人歩きしている感じが否めない気がしました。アメリカの書物の輸入じゃなくて、もう少し厳密な定義と、研究が待たれる気がします。例えば、ウィキペディアや、最近で言えばnanapiなどの合同作業系サイトの記事の成長を追いかけるなどの研究があってもいいと思います。

基調講演1 「ウェブ研究に求められるもの-課題と期待-」

国会図書館館長の講演です。国会図書館を始めとして、情報の電子化やその利用について熱心に進めているのは理解できましたが、まだ成果が表に出てないようなので、これからの進展に期待といったところです。検索の結果の出し方についての問題提起については、どう研究が進むのか、期待です。ただ、ウェブ上の汎用性の求められるツールと、特定の領域、組織内に絞った検索では、求められるものは違うでしょう。未だにニュースサイトで日付順で記事が並ばない検索エンジンを使っているところが僕は信じられない人です。

セッション2:ウェブと政治

興味深い点もありましたが、鈴木健さんを中心として、やや内輪な印象を受けました。健さんの「一票を分配して委任する」という案は面白かっただけに、議論を深めることが出来なかったのは残念です。

彼の思考実験は、実験としては面白いのですが、実現性となると、難しいかもしれません。例えば、「人間は自分の思いを分割して委ねることが可能か」という一番の条件が成り立たない可能性があります。それなりに普段から思考している人なら、「Aは80%、Bは20%」という発想も可能でしょうが、ごく一般の人にそこまで要求するのは難しいのではないかと考えます。委任についても、結局自分の一番親しい人に委任してしまうなら、今の代議士制と変わらないのだし。まあ、投票という行為自体、「良く考える人」を前提としすぎている嫌いがありますが。

基調講演2

一番このイベントらしい講演ではなかったかと思います。特に、Yahooの選挙関連の活動はとても面白かったです。日本のYahooの人気があってこそなせるイベントですね。

セッション3:ウェブと科学

個人的には一番興味を持てなかったセッションでした。それは、自分がこうした技術発表に飽きてきたからなのですが。本当は、こうした技術をどこに活かすか、を議論するべきだったのではないかと思います。小さな(50名くらい)セッションでこれを発表してもらって、その場でアイディア出しをするとかすると面白のではないでしょうか。

以上がウェブ学会の感想です。総じて第一回らしい、広く満遍ない内容だったと思います。今後は、これらの内容をもっと深めることが求められると思いますが、どうでしょうか。技術と社会というテーマは、ある意味永遠の課題なので、その点でもっと実験的な展開をすると、他の企画とは一線を画したイベントになるのではないかと思います。

コミュニティマネージャーの役割

僕は、前職はコミュニティマネージャーという立場でした。アメリカでは導入の進んでいるこの職種ですが、日本では類似の職を持ったところはほとんどありません。そこで、この職種に付いて自分の経験を元に書いてみたいと思います。意識的に他の文献は読んでいないので、他の人の定義とずれるかもしれません。

コミュニティマネージャーとは何か

コミュニティマネージャーとは、その名の通り、コミュニティのマネージメントをする役職です。と、これでは単なるトートロジーなのですが、一言で定義しようとすると、どうしてもこうなってしまいます。というのも、企業側にたって、コミュニティを支える事全てがコミュニティマネージャーの仕事になってしまうからです。

コミュニティマネージャーの仕事とは

マネージメントと言っても、そこには、細かく分ければいろんな仕事があります。ざっと列挙すると、

  • コミュニティからの質問受付およびその返答
  • 運営企業側からのメッセージ伝達(新機能、改訂の告知など)
  • コミュニティ妨害者の説得、最悪は排除
  • 利用者の読むマニュアル作成
  • 利用者の読むメッセージ作成
  • 利用者勧誘
  • 場合によってはプレゼンテーションなどによる広告、宣伝活動

といった具合です。もちろん、業務によって差は出るでしょう。ウィキのようなサイトでは、スパム対応も業務の中に含まれるし、ウィキのコンテンツ管理などもあります。ひとつ最近の流行は、こうした業務の範囲がサービス上だけでなく、他のソーシャルメディアを使う事もあることです。例えば、twitterで応答したり、SNSやブログで応答したりすることもあるようです。

そもそも、コミュニティってなんだ?

コミュニティとは、ウェブサイトで言えば、「そのサイトを利用して、何かを生みだしていく個人の集まり」と言えるでしょう。たった一人でも、その人が十分な活動をしていれば、コミュニティと言えます。生み出すものはサービスにより雑多です。動画やイラストのようなリッチなコンテンツの場合もあれば、コメントをするだけの人もいるでしょう。中には、そのコンテンツに付いて、ブログなどの該当サービス以外で宣伝するような人もいるでしょう。そうしたコミュニティの活動を活性化させていくのがコミュニティマネージャーの役割です。

コミュニティマネージャーの評価は?

いわゆるソーシャルスキルに特化した業務であるため、評価は難しいと思われがちですが、そんなことはありません。コミュニティマネージャーは、大抵の場合数は多くなく、少数で特定のサービスを全面的に請け負うことになります。そこで、そうなると、そのサービスのアクセス数や、利用者数、特に新規、ユニーク利用者数を計測すれば、それがコミュニティマネージャーの評価の指標として使えます。サービスによって評価する指標は様々でしょうが、利用者動向を左右する業務であるため、それこそがコミュニティマネージャーの評価と使える事が多いと言えるでしょう。

それは、日本に全く存在しないの?

幸運な事に、こうした仕事を「コミュニティマネージャー」という肩書き以外で活動しいている人が多くいます。例えば、サービスの開発者の方がブログで利用者と応答しているシーンなどはよくみるでしょう。なので、日本に「コミュニティマネージャー」がいないとは思っておりません。ただ、そうした役職の存在を意識して目にする事がないのは残念な事です。

以上が、コミュニティマネージャー業務にかんする概要です。こうした業務は、中々理解されづらいですが、一度、利用者としてそうした人たちと接してみると、その「質的」側面がわかりやすくなるのではないかと思います。

初めまして

ソーシャルメディアコンサルタントの福澤です。これから、自身の経験や体験を元に、まだまだ少ない日本のウィキ関連の情報や、チップスをまとめて行きたいと思います。二週間に一回くらいの更新になるかもしれませんが、よろしくお願いします。僕へのメールは、左ページからたどって、いつでもお送りください。

それでは、よろしくお願いします。